幻の物語
このコンテンツをご覧の皆さん。皆さんは「ウルトラセブン」という作品をご存知でしょうか?
って、そりゃ知ってるでしょうねぇ〜。有名な番組ですし。
そんでもって皆さん、「ウルトラセブン」が全部何本撮影されたかご存知でしょうか。
っえ?49本に決まってるだろうが!って、正解です。
しかし、本当に49本全てが世に出回っているのでしょうか?「はぁ、何いってんの。」と思った方、もし手元に「ウルトラセブン」に関する本やビデオがあるならすぐに調べなさい!
探した方はお気づきでしょうか?そう、第12話だけ無いんです。
管理人自身もつい最近まで知りませんでした。じゃあ何で知ってんの?とお思いの方がいっらしゃるかも知れませんのでちょっと説明を。
ちょいいい忘れたんですけど、管理人は未見ですのであしからず……。
衝撃の事実in某書店
そう、それは桜も散り始めた季節(嘘です。ホントは初夏になりかけの5月も中頃。)、管理人は暇つぶしに某書店へと足を踏み入れた。
そして、管理人は一冊の本に興味を惹かれ、そこで立ち読みを始めた(オイ!)。30分過ぎた頃だろうか、その本のラストである「ウルトラセブン」放映リストというのを読んでいた。
と、その時、管理人の目があるところで止まった!!そこを見てみると、第12話「遊星より愛をこめて」登場怪獣スペル星人というものだった。
ス、スペル星人〜?特撮バカである管理人も知らんかった・・・。そして管理人はその後、気まぐれで「ウルトラセブン」のビデオを借りようと某ビデオ屋を訪れた。(ホントは「遊星より愛をこめて」が観たかっただけ。)
しかし、無い!!どの「ウルトラセブン」のビデオを探してもないのだ!!そしてその後、管理人は「遊星より愛をこめて」が欠番であったことを知った。
第12話の概容
とまぁ、そんなこんなで管理人は「遊星より愛をこめて」を知った訳ですが、さてこれはどうゆうお話か。
若い女性が次々と倒れる事件が続出した。倒れた女性は一様に変わった腕時計をはめておりその腕時計が地球上に無い物質、スペリュウム(スペシウムの書き間違いではない)で造られていたのに疑問を感じたウルトラ警備隊は早速調査に乗り出す。
アンヌの友人、サナエは恋人のサタケからスペリュウム製の腕時計をプレゼントされる。(勿論、サナエはそんな事知らない。)それでそれをはめて学校に行ったサナエの弟のシンイチが貧血で倒れる。
腕時計のでどこをハッキリと言わないサタケを怪しんだウルトラ警備隊は彼をマークする。
そして遂にサタケの正体がスペリュウム爆弾により被爆し、綺麗な血を求めて地球にやってきたスペル星人の一人であることが判明した。
例の時計を回収していたスペル星人は特別に純度の高い血があることを発見する。それはシンイチがしていた時計だった!
地球人の中で子供の血が一番綺麗だと知ったスペル星人は子供たちを誘拐しようとする。それを止めに来たダンとフルハシ。その時、スペル星人は遂に正体を見せた!!
一方、シンイチを誘拐したサタケを追うソガとアンヌはサナエに真実を告げる。しかし、サナエは信じない。(そりゃそーだけど・・・)
んでもってサタケをヒカワ貯水池まで追い詰めたソガはサタケを攻撃した。すろとサタケはスペル星人に変身した!!
んまぁ、後はお決まりのパターン。最後はウルトラセブンのアイスラッガーがスペル星人に決まってスペル星人が死ぬ。
そして、夕日を見つめ、現実を受け入れるサナエ。ダンとアンヌはいつか地球人が他の星の人と信じあえる日がいつか来る事を願うのだった。
概容はこんな感じ。第1印象は結構普通な話で被爆者に対し差別をしているとは到底思えない作品だった。因みに脚本は佐々木守、監督は実相寺昭雄というウルトラマンの「故郷は地球」、「怪獣墓場」を生み出した当時のベストコンビによって作られた。
「遊星より愛をこめて」が抹殺された日
前章を読んだ人にはこんな疑問も持った人がいるかも知れません。
これのどこに欠番になる要素があるのかと。はい、正直に言いましょう。
ありません!!実際、再放送もされていたそうです。
それなのに何故、欠番しているかというと、「小学2年生」昭和45年11月号に「ひばく星人スペル星人」という記事が掲載されたのが原因の発端でした。
その記事を読んでいた当時小学2年生の弟が読んでいたのを偶然発見した当時中学1年生の女の子が「被爆者を怪獣呼ばわりするなんて酷い」と考え、東京都原爆被害者団体協議会の会員である父親に指摘、その父親が出版社に講義したからだそうです。
これが起爆剤となったのか、次々とそういう協議会からの抗議、そして各メディアへの波紋へと繋がり、結局、10月21日「今後一切、スペル星人に関する資料の提供を差し控える」という内容の回答書が出されたそうです。
蘇れ!!スペル星人!!
それから何年も後、竹書房の反骨精神溢れる編集者によって一冊の本が作られました。その名は「ウルトラマン大辞典」。
この中にはもう世に出回るはずの無いスペル星人(しかもカラー!!)が特集として載っていたそうです。
といっても、現在は古本屋を駆けずり回らないと見つからないと思いますが・・・。
それと数年前から、ヤフーのオークションでかなり画像は悪いですがビデオが出回っているらしいです。これも興味のある方は買ってみてはいかがでしょうか?(但し、値段については責任持ちません)
本当のメッセージ
今回のこの騒動の「差別された」とアピールする側がそれを濫用し、子供たちに放ったメッセージを勝手に抹殺(ここでは敢えてそう言わせてもらう)したという事は、許されるべき事では無い。その本質も分からずに、勝手な主張ばかり言うという事はそれを主張する側も差別や偏見を行っているという事になる。
それに考えてもらいたい。核の恐ろしさを子供たちに伝えたいと思った円谷プロ側の想いを。今の様な状況を未来の大人である子供たちに繰り返させてはならない。そう考えて作った作品を自分たちの手で処分しなければならなくなった悔しさを。
今、DVDなどとなり、「ウルトラセブン」は日本の映像財産になっている。しかし、「遊星より愛をこめて」だけ「欠番」という一言で片付けられてしまうのが管理人には残念でならない。なぜならば、この作品は「核」の問題に真っ向から取り組んでいる作品であるためだ。是非今再びこの作品が世に出る事を切実に願っている。
(これは管理人個人の意見なので。御了承ください)
追記(2002‘4/16)
ちょっと新しく情報が入ったので。
ウルトラセブンのLDやDVD化に際して、この「遊星より愛をこめて」を収録しようという動きがあったようです。
ですが、当時抗議を行った団体の責任の所在が現在ではもはや不明になってしまったがために、収録の確認交渉が行えずに泣く泣くLDやDVDにこの「遊星より愛をこめて」の収録を断念せざるおえなかったようです。
これによって「遊星より愛をこめて」は日本では視聴が難しい作品になってしまったようですが、海外では意外と他の話と同じように普通に再放送がされているようです。